信楽焼は日本六古窯のひとつに数えられ、古来より、遠く立ち上る登り窯の煙は、ふるさと信楽の原風景を感じさせています。
こうした豊かな自然と肥沃な大地に、信楽焼きの文化は育まれてきました。
はるか天平の昔に造営された紫香楽宮が、命の息吹を今に伝えています。
山に囲まれ、木々の深く生い茂った地「シダラ」。
鬱蒼と生い茂る森に隔絶されたこの地では、古来、独自の文化が育まれてき た。
仏都紫香楽に夢を抱いた聖武天皇に、この地を選ばせたものは何だったのか。
何より麗しい「紫」の字を与えられた紫香楽は、独特の土味を生かして、やきものという芸術を生んだ。
1200年の伝統を誇る朝宮茶や、中世・近世の息吹が残る数々の歴史と伝統。
燃え上がる炎に悠久のときを感じながら、陶都・しがらきは世界へと広がっていく。
(信楽町合併50周年記念誌「信楽町50年の軌跡」より)